犬と一緒に暮らしていると、犬から多くの事を学ぶことになります。家族として迎えた時からこの世を去る時までずっと。
このコミックエッセイの「犬が教えてくれたこと」は著者が出会った飼主の話を漫画で描かれています。そこから学ぶこと・考えさせられることは多いです。
今回は「おじいさんの犬」というエピソードを紹介します。
犬は『記憶の動物』と言われるほどで思い出に浸ることもできます。犬は私たち飼主との思い出を大切な記憶として刻んで生きていることが分かります。
おじいさんの犬
僕を置いていかないで…
2世帯住宅に住むおじいさんのお話です。
おばあさんが亡くなってしまった寂しさからか、おじいさんはゴールデンレトリバーの子犬を迎えました。息子夫婦や孫には相談もなく、おじいさんが全て一人で面倒を見るからと言い張りました。
その後おじいさんは犬の勉強をして悪戦苦闘しながらも、一人で犬の世話をし続けました。すくすく育ったゴールデンレトリバー。おじいさんも犬を飼い始めてから明るくなっていったそうです。
ゴールデンレトリバーのルーティンは縁側でおじいさんの思い出話を聞くこと。二人にとってそれは至福のひと時だったそうです。
しかし、ゴールデンレトリバーが3歳の時におじいさんは亡くなってしまいます。
ゴールデンレトリバーは昼間は縁側で、夜は縁側の下にいるようになりました。散歩には息子夫婦が忙しく、連れて行って貰えなかったそうです。
そんなある日、事件が起こります。縁側で寝ていたゴールデンレトリバーを移動させようとすると、本気で噛まれてしまったのです。それ以降、縁側に近づくと怒るようになってしまいました。
息子夫婦たちは犬の勉強を始めます。How to 本を読んだり、訓練士に話を聞いて実践することで距離は縮まってきました。
縁側に近づいても怒られなくなり、散歩にも一緒に行くようになりました。この頃のゴールデンレトリバーは昼間は縁側で過ごし、夕方には散歩に行くことがルーティンになっていました。
しかし、また事件が起こります。縁側で過ごしていたゴールデンレトリバー。夕方より早い時間に散歩に連れて行こうとすると、また飼主を噛んだようです。甘噛みだったようですが、犬のしつけ教室の先生に相談することに。
結果は縁側で思い出に浸っている時が最も幸せな時間だということが分かりました。ご飯の時や散歩の時よりも縁側でおじいさんといた時間を思い出す方が幸せそうにしていたとのこと。
おじいさんと過ごした縁側。ゴールデンレトリバーは亡くなる時まで縁側で過ごすルーティンは続いたとのこと。おじいさんが亡くなってからもおじいさんとの幸せな思い出と共に生きた犬生だったようです。
犬は飼主のことを忘れない
忠犬ハチ公を知っていますか?亡くなった飼主の帰りを東京渋谷駅の前で10年間も待ち続けた犬です。
犬は飼主のことを忘れません。人と同じで思い出を記憶し、思い出すことができるようです。忠犬ハチ公もこのゴールデンレトリバーも飼主を待ちながら思い出に浸っていたのでしょう。
おじいさんといた3年間、おじいさんとの思い出と一緒に生きた6年間。このゴールデンレトリバーにとっては、おじいさんとおじいさんの思い出と共に生きた犬生。
ここから私たちが学ぶことは、犬は飼主のことを忘れないし、大切な思い出として覚えているということです。何気ない日常を犬は覚えていて、それを幸せに感じています。
愛犬との日々を常に大切に過ごしましょう。私たちより短い寿命の犬と一緒に暮らせる時間は有限です。何気ない日常が大切な記憶として私たちに、そして、愛犬にも刻まれていますからね。
▽漫画はもっと心に刺さります▽
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