犬と一緒に暮らしていると、犬から多くの事を学ぶことになります。家族として迎えた時からこの世を去る時までずっと。
このコミックエッセイの「犬が教えてくれたこと」は著者が出会った飼主の話を漫画で描かれています。そこから学ぶこと・考えさせられることは多いです。
今回は「蚤の心臓」というエピソードを紹介します。
犬も私たちと同じで見かけだけで判断してはいけません。同じ犬種でも性格は全く異なります。見かけにとらわれずに愛犬の心を理解してあげることで、もっと幸せに暮らすことができるようになるでしょう。
蚤の心臓
臆病な僕でごめんね
ブリーダーからシベリアンハスキーの子犬を迎えた家族がいました。迎えた子犬は兄弟たちから少し離れたところで一匹で、ぼーっとしていた子犬です。
家族に迎えた当初から小さな物音に敏感で、抱っこは嫌がるのに常に身体の一部を飼い主に預けてくる。そんなハスキーでした。
大きくなってからも犬の交流会では小型犬にビクビクと怯えて、飼い主の後ろ側に隠れたり臆病なところは変わりませんでした。
1年が経過し、立派なシベリアンハスキーに成長しました。外に犬小屋を作り、外で飼うことにしたようです。物音がする外で暮らすことは苦痛だったでしょう。この頃、飼い主たちも仕事が忙しくなり、あまりかまってあげられなくなっていました。
そんなある日の事、散歩中に触ろうとしてきた人に驚いたハスキーはその人の手を噛もうとしてしまいます。そこでその家族は犬のしつけに詳しい知人を頼ることにしました。
その知人の方は噛み癖を訓練で直すとのこと。ずかずかとハスキーに近づき、まずるを掴んで押さえつけようとすると、今度は初めて人を噛んでしまったのです。その知人の人は処分すべきだと言い、去っていきました。
悩んだ末に、犬の交流会で出会った信頼できる先生に相談した家族。すると、その先生は一言。
「見かけは大型犬だけど、その子の心臓は蚤の心臓なんですよ」
家族になった時から分かっていたことでしたが、大きくなるにつれてそのことを忘れていた家族。少しずつですが、リハビリを始めていったそうです。室内で飼い直し、家族みんなで優しい気持ちで触れ合い続けました。もう一度心を通わすためのリハビリでした。
そうすると徐々に知らない人にも慣れて、噛むことは無くなりました。大きな音には相変わらずびくびくしますが、飼い主がなだめてくれたので安心感があって穏やかだったようです。
家族で心を通わせられてからは幸せに暮らすことができました。このシベリアンハスキーは老衰で亡くなりましたが、家族に迎えた時から亡くなる時まで臆病で、身体の一部を飼い主に預けてくる甘えん坊な性格だったそうです。
犬の性格
実家に帰ると5匹のシベリアンハスキーが集まります。母犬とその子犬兄弟4匹ですが、みんな性格は異なります。臆病な子もいれば、唯我独尊な子もいます(あえて誰とは言わないけどね!)
今回の物語のハスキーのように臆病な子は、外の物音に敏感に反応しますし、小さな虫から逃げたりします。それがストレスになって神経質になってしまうんです。
そこで大切なのが飼い主がどのように接するかです。ハスキーはこうだから!とか大型犬はこういうものだ!とか決めつけてはいけません。その犬の個性を知って、その犬にあった対応をしてあげればストレスを軽減できて健やかに暮らすことができます。
接し方を間違えば、他の人や犬を噛んだりしてしまうこともあります。見かけやちまたの情報だけにとらわれず、その犬の心の声を聴いてあげることが大切なことなんだと思いますよね。
▽漫画はもっと心に刺さります▽
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