犬のご飯って何を与えれば、健康で長生きしてくれるか、知りたいですよね。
ネットで調べても、「ドッグフード派」と「手作り食派」で別れていますし、これに答えを出すことは難しい思っています。
最近では、ここに「生食(生肉)派」も加わって、飼い主たちが混乱する原因になっています。
犬の好き嫌い&アレルギーもあるから大変だね!
そんな訳で、皆さんはどれを与えていますか?
- 手作り食
- ドッグフード
- 生食(生肉)
- 上記の組み合わせ
結局、何がいいのか教えて!
結論から申し上げますと、
主食に、トッピングを加えて与えるのが良いと思います。
私たちは手作り食がメインで、ドッグフードをトッピングしています。
手作り食の栄養バランスをドッグフードで補うイメージですね。
この記事では、「ドッグフード」と「手作り食」のメリットとデメリット、そして、私たちが考える犬に喜んでもらえる食事についても話していこうと思います。
簡単な犬の手作りご飯も紹介します!
最後までお付き合い頂けると嬉しいです。共に愛犬の健康を考えていきましょう!
- 愛犬の食事に悩んでいる方
- 愛犬の健康を保ちたい方
- 「手作り食」や「生食(生肉)」を検討している方
長文なので、気になるところに目次で飛んで頂けると時間短縮になります(笑)
犬の手作りご飯はよくなかった!
「犬の手作りご飯はよくない」そのようにネット上で見かけました。
この理由は一昔前、犬に与えられていたご飯は健康被害がでるようなご飯が一般的だったためです。
簡単に解説していきますね!
ヤバい!犬の手作りご飯は最悪だった
昔の犬のご飯と言えば、人間の残った物を与えていたイメージがありませんか。
代表的なモノが「味噌汁ぶっかけご飯☆残飯トッピング」
「高塩分の味噌」・「具材の葱」はどちらも犬に与えてはいけないものです。
そのようなご飯を与えていては、肝機能や腎機能が人間よりも弱い犬に負担がかかってしまいますので、犬の手作りご飯はよくないということになりました。
ドッグフードが犬のご飯の地位を確立
そこで、ドッグフードという市場が形成されます。
犬に与えても安心安全で、ドッグフードだけ与えておけば、栄養バランス良いという商品。
俗に言う「ねこまんま☆残飯トッピング」が主流だった頃に登場したドッグフード。
テレビCMでの普及効果もあり、ペットにもペットに適したフードを与えようとする流れになりまして、「ねこまんま」を駆逐したのです。
犬のご飯の歴史
人間と同じものを食べてきた歴史があります。
その歴史は古く、氷河期末期の1万1000年前とも言われています。
人間と同じものを1万年以上食べてきたことになります。
人が火を使う歴史は20万年前と言われていますので、1万年の間、犬は「生肉」や「穀物」(原料そのまま)と「火を通したもの」(調理したモノ)を食べていたことになります。
ちなみに、ドッグフードが登場したのは、1860年頃。
歴史を見ると、「ドッグフード」(加工食品)は最近の食べ物なんです。
1万年前は「生肉」や「穀物」(原料そのまま)や「火を通したもの」(調理したモノ)を食べていたが、最近になって「ドッグフード」(加工食品)を食べるようになった。
次はそれぞれの犬のご飯のメリット・デメリットを紹介していきます。
犬の手作りご飯(手作り食)
人間の食材を手作りして与える「手作り食」
メリット① 安心・安全な食材を選べる
飼い主が素材を選び、料理する手作り食。
旬なモノは栄養価も高く、美味しいため、食いつきが良いのもメリットの一つ。
原材料を選べることで、アレルギーにも対応できます。
メリット② 添加物を抑えられる
調理することで添加物を抑えられるため、安心・安全と言えます。
乾燥したドッグフード(ドライフード)は、「フードの成形」や「長期保存」のため酸化防止剤・添加物・保存料・嗜好性の高い油などが含まれています。
これらの添加物は犬の身体にも良くありません。
原材料の添加物だけ気にすればいいので、添加物を最小限にできるのがメリットです。
メリット③ 水分量を調整できる
調理した際に、愛犬の体調に合わせて水分摂取量を調整できます。
冬場になると、水分を採らなくて困っている飼い主も多いのではないでしょうか。
水分を採らないと腎臓に負担がかかるので、適切に水分を与える必要があります。
手作り食は、愛犬に喜んで水分補給させることができます。
メリット④ 食事の楽しみを最大限に高める
ドッグフードだけでは、毎日同じ食事(味)で変化がありませんよね。
「食事の楽しみ」を最大限高めてくれるのが、手作り食のメリットです。
私たち人間も同じものばかりでは飽きてしまいますよね?
旬な野菜を入れたり、トッピングを変えることで日々の食事に変化を持たせることができます。
メリット⑤ 健康状態に合わせて調整できる
愛犬の健康状態をみて、食事を最適化することができます。
- 体重が増えてきたらカロリーの少ないモノをメインに
- 下痢気味であれば水分を減らしつつ、胃腸に優しいものを
- 高齢になれば食欲も落ちてくるので、嗜好性の高いものを
といった具合に調整できます。
デメリット① お金がかかる
新鮮で無添加の食材を購入すると、お金がそれなりにかかります。
我が家のシベリアンハスキーは、鳥の胸肉と旬の野菜で1食300~500円くらいかかっています。
犬種の大きさによりますが、食費は高くなりやすい傾向があります。
デメリット② 手間がかかる
食材を選び、調理をして与えるまで時間と手間がかかります。
飼い主と同じメニューであれば手間はかかりませんが、慣れていないと準備するのが大変に感じてしまうでしょう。
デメリット③ 栄養バランスを考える必要がある
ドッグフードのような「総合栄養食」とは異なり、栄養バランス・カロリーを考える必要があります。
フードと水だけで犬の必要な栄養素がまかなえる食事のこと
バランスのとれた食事が強く健康な身体を作るので、手作り食だけでは難しいかもしれません。
我が家では、「ドッグフード」と「おやつ」を併用して栄養バランスを整えています。
デメリット④ 非常時に与えることが困難
災害などの非常時には、愛犬に手作り食を与えることは難しいでしょう。
手作り食に慣れてしまうとドッグフードのみを食べなくなる場合もあります。
たまには、ドッグフードを食べる習慣を作っておくとよいでしょう。
ドッグフード
ドッグフードは、ドライフード・ウエットフードに分かれており、それぞれ特徴があります。
ドライフードは乾燥したフードで、ウエットフードは水分量が75%以上のフードです。
ウエットフードフードの代表と言えば「ブッチ」「ヘルマン」が挙げられます。
メリット① 長期保存ができる
ドッグフードは長期保存ができるため、非常時などでも愛犬にご飯を与えることができます。
ドライフードは長期保存が可能ですが、酸化防止剤無添加のものは開封後に冷蔵保存を行う必要があります。
ウエットフードは長期保存する場合は冷凍庫、数日のうちに食べる分だけを冷蔵庫にて保管します。
どちらのフードも長期間保存ができるのがメリットです。
メリット② 手間がかからない
準備に手間がかからないことはドッグフードのメリット。
お皿に取り分けて数秒~数分で、犬のご飯の準備が終わります。
一方、手作り食の場合は30分程度の時間を要することも。
簡便に食事を与えることができることは、忙しい現代人にとって大きなメリットでしょう。
メリット③ 栄養バランスに優れている
ドッグフードのほとんどが栄養バランスが考えられた総合栄養食。
フードと水があれば、成長や生命活動に必要な栄養素を賄うことができます。
日々の食事で栄養バランスを考えなくていいのは、非常に楽ですし、ドッグフード最大のメリットとも言えます。
デメリット① 添加物が多い
ドッグフードを長期保存するために添加物が多く使われる傾向があります。
食欲を高める目的の油であったり、酸化防止剤や保存料など多くの添加物が使われています。
添加物の種類によっては嘔吐や下痢など身体に悪影響を与えることがあるため、添加物は摂取させない方が良いです。
最近では、不要な添加物を抑える代わりに保存期間が短くなっているフードもあります。
デメリット② 原材料・製造過程が不透明
ドッグフードは原材料の原型をとどめていないものが大半で、製造環境も不透明です。
ドイツで作られているフード「ヘルマン」のように、厳しい検査基準を合格しているものは安心できます。
生産者の労働条件も審査対象です!
本当に良質な原材料が使われているのか、適正な環境下で作られているのか、検査基準が分かっているモノを選んでください。
デメリット③ お金がかかる
品質がいいものを与えようとすると、手作り食以上にお金がかかる場合があります。
ブッチやヘルマンといった原材料・製造過程ともに厳格な検査や製造が行われているため、材料費・コストがかかります。
ヒューマングレードと標記された安価なフードは、何かの理由があると思った方が良いでしょう。
ドッグフードはヒューマングレードで健康志向に
現在、犬のご飯はヒューマングレードが当たり前で、健康志向になりました。
人間の食品と同じ衛生基準・管理基準で作られたドッグフード。
以前のペットフードは人間の食事に比べて安全基準が低く、粗悪な原材料が使われることがしばしば……。
また、犬のご飯に求められたのは「品質」ではなく、「綺麗な形の固まったウンチ」でした。
昔のドッグフードには、アレが入っている……
道端に落ちている乾燥した犬のウンチを見たことはありませんか?やけに綺麗な形をしていて、乾燥すると白くなります。
これはドッグフードの中に石灰が入っています。学校の校庭に白い線を引く、あの石灰です。水に触れると固まるため、下痢になりません。ウンチの処理がしやすいため含まれています。
石灰入りのご飯……そんなの嫌だ!
今でも安いドッグフードには入っているよ!
食材品質・管理基準・衛生基準にこだわり始めたドッグフード
昔の飼い主は、いいウンチが出ていれば、原材料は確認していませんでした。そんな事を言うメディアもありませんでしたし、情報も限られていましたから仕方なかったと思います。
最近では、情報が溢れかえっていて、愛犬の健康を考える飼い主が増えました。
結果、食材品質・管理基準・衛生基準にこだわり始めたドッグフードが急増し、ヒューマングレードの商品で溢れかえりました。
良いことだと思いますよね?でも、実際は……
ヒューマングレードの定義
ヒューマングレードに関しては、基準があいまいでした。
原材料がヒューマングレードでも、製造過程が不衛生だったりしても、ヒューマングレードと表記している会社もあったそうです。
そこで、ヒューマングレードを明確に定義したのが、米国飼料検査官協会(AAFCO)になります。この基準が世界中で採用され、品質が担保されてきています。
以下の基準を満たす商品だけ、ヒューマングレードを表記することが可能になりました。
- 全ての原材料が、人間の食用にできるものであること
- 製品の、製造、包装、保管全ての段階で、連邦法の人間用の食品の規制に従っていること
AAFCOによって、ヒューマングレードの定義は明確化されました。しかし、過渡期にあるため基準を満たしていないにもかかわらず、「ヒューマングレード」と表記している場合があるため、注意が必要です。
つまり、「AAFCO基準を満たしています」と表記されたものは安全性が高いと言えますね。
生食(生肉)
生食(ローフード)とは生の肉を与えるため、犬本来の食性に最も近い食事と言えます。
メリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット① 消化吸収しやすい
犬にとって生肉が最も消化吸収しやすい食べ物。内臓も生肉を消化しやすいように作られています。
本来の食生活に近い形で食事を与えることができるので、理にかなっているといえます。
食材に含まれているビタミン・ミネラル・酵素など、加熱処理に弱い栄養素をとれるメリットもあります。
メリット② 嗜好性が高い
素材をそのまま味わうことができるため、食いつきが良い(嗜好性が高い)です。
食欲がない老犬やフードを食べてくれない犬でも、最も食欲がわきやすいメリットがあります。
デメリット① 入手困難な場合がある
生でも食べられるほど新鮮な肉を入手することが難しい場合があります。
また、寄生虫や雑菌がいない環境での徹底した品質管理が要求されます。
スーパーで売っているような加熱処理が必要な肉は与えることができません。人間が生で食べることができるような肉を与えることが望ましいです。
インターネット・交通網の発達により、ネット注文すれば簡単に入手できますが、信頼できるメーカーを選ぶ必要があります。
馬肉は比較的安全に与えることができるので、おすすめです。
デメリット② 歯が汚れる
生肉を食べると犬の歯が汚れるので、歯磨きをしっかり行う必要があります。
基本的には丸飲みしてしまう犬でも肉を噛めば、繊維が残って歯石の原因となります。
生食は最もデンタルケアが必要な食べ物です。
人間も犬も食事の考え方は同じ
わたしたち人間にとっても犬にとっても、健康に良い食事の考え方は同じです。
原材料にこだわる
安心安全の食を求めるのであれば、原材料にこだわりますよね。
野菜であれば、農薬は必要最小限のものやオーガニック食品。肉であれば、家畜が食べたものや適切な飼育環境で育ったかなどを確認しましょう。
身体の元となる食べ物ですから、大自然の中ですくすく育った健康的なモノを食事に取り入れることが大切です。
添加物は必要最小限
保存料や酸化防止剤などの添加物は身体に悪影響を及ぼすものもありますので、必要最小限なモノを選ぶ必要があります。
ペットフード安全法で含有量に制限がある添加物は以下の通り。これらは避けるか、含有量が少ないモノを選びましょう。
- エトキシキン
- BHA
- BHT
- 亜硝酸ナトリウム
勘違いしないで頂きたいことは、添加物の全てが悪いという訳ではありません。どうしても必要な添加物もあります。例えば、お茶に含まれている添加物 ビタミンC は身体に無害で、長期保存に役立っています。
生産者が信頼できること
生産者を信頼できるという事は、品質が保証されていることの証明になります。
食品を購入する際に、生産者の名前や顔が載っていることで、信頼してモノを購入した経験はありませんか?
肉であれば、ブラジル産よりも国産、国産よりもブランド肉の方が信頼できませんか?
品質が担保されているモノは、良質な原材料・適切な製造管理がなされているので、安心安全な食に繋がります。
犬のご飯はトッピングを活かそう!
これまで「手作り食」「ドッグフード」「生食」のメリットデメリットを紹介してきました。
それぞれ長所も短所もあり、より悩んでしまいますよね。
結局、何がいいのか教えて!
記事の冒頭でもお伝えしましたが、主食に、トッピングを加えて与えるのが良いと思います。
私たちの場合は手作り食がメインで、ドッグフードをトッピング、この逆が一般的かもしれません。
トッピングで短所を補う
犬のご飯は、メインのご飯にトッピングを加えることで長所を生かし、短所を補うことができます。
手作り食のデメリットは栄養バランスの偏り。これをドッグフードで補います。
ドッグフードのデメリットは食いつきが良くないこと。これを生食や手作り食で補います。
手作り食にトッピングをおすすめする理由
一つは手作り食が安全性が高く、愛犬にあった食事を与えることができると考えています。
飼い主が調理をすることで、「原材料の状態の良し悪し」や「素材の加工(添加物)管理」を把握することができます。愛犬の体調に合わせた食事を提供できることも良い点です。
臨機応変に対応でき、安全かつ短所を補えます
「出来合いのお弁当」と「手作りご飯」どちらを食べさせたいか、安心して与えられるか、それに近いと私は思っています。
しかし、手作り食も万能ではなく、栄養バランスが偏ったりもします。そこで、ドッグフードや生食で足りない部分を補ったりするなどすると良いでしょう。
ドッグフードだけではダメなのか?
ドッグフードは総合栄養食で完成されている。
ドッグフードだけで良いのでは?
これについては、ドッグフードに犬の身体が適応していないと食事の楽しみが減ってしまうと考えています。
犬がドッグフードを食べるようになってから歴史が浅く、ドッグフードに適した身体ではありません。むしろ、生食や手作り食の方が犬にとっては栄養を吸収しやすい身体だといえます。
そして、ドッグフードのいつも同じ味では、食事の楽しみが減ってしまうと考えます。ドッグフードが美味しく改良されても、犬は本能的に肉を食べたいと思っています。
ひとつのものだけではなく、色々な食べ物を与えられる方が、食事の幸せを感じてもらえるのではないでしょうか
犬の手作りご飯 実例紹介
我が家では、手作り食をメインにドッグフードや生食を与えています。
実際の調理法やメニューをご紹介します。
実際の調理法① オーブン調理
素材の味わいを活かすために、オーブンに入れて自動調理しています。
水を多めに入れて、水分摂取を促しています。
具材を細かく切り、冷ましてから与えます。鳥出汁のきいたスープも全て入れます。
調理開始から与えるまで30分程度かかります。
実際の調理法② フライパンで油調理
フライパンを使い、良質な油を少量加えて加熱調理します。
油は入れたり、入れなかったりしています。
ドッグフードと手作り食を合わせた犬のご飯になります。
朝食にはドッグフードを入れることが多め。
実際のメニュー
実際のメニューの一例を紹介します。
なお、盛り付けのために具材が大きいままですが、与える際には細かく刻んで与えています。
遊びに来た妹犬のご飯とヴィヴィアンのご飯。
アレルギーがあるので、犬ごとにドッグフードは使い分けています。
▽具体的なご飯の量や割合はコチラの記事▽
まとめ
犬の手作りご飯はよくない!そう言われていたのは、犬にとって有害なものを与える危険性があったためです。犬の情報にあふれる現在においては、飼い主が正しい知識を得られるようになったので手作り食は安全になったといえます。
多様化する犬のご飯。飼い主はその中から良いものを選択することで、愛犬の健康を守ることができます。愛犬と一緒に犬のご飯を模索してみてはいかがでしょうか。
こんにちはー!Ray(@ハスキー犬のいる暮らし)です